だんだん、若手という立場から抜けてくると、上司もそれなりに「考え方を見せてくれる」ようになる。その中で、今なお血肉となっているのは、「職場メンバーのレベルアップ設計」という思想。
<ポイント>
●昇格タイミングを見計らって仕事を割り振る。
このときの上司が秀逸だったのは、「今期はAさん、次期はBさん…」と、数少ない「プラス評価資源」を的確に割り振っていったこと。それにより、メンバーの昇格、ステップアップをスムーズに動かしていく組み立ては、本当に見事だった。
●からくりを、かなりメンバーにオープンする。
今考えると「よくそこまで教えてくれたよなぁ」と思うが、この割り振り設計をリーダーがかなりメンバーにオープンにしたことは極めて印象深い。少人数職場で、メンバーの特性を見ていたからできた荒業だろうが、これにより、プラス評価資源が回ってこなかったメンバーにも納得性を持たせたことは本当に辣腕だと感じる。
<問題の所在>
●「成長」を見込まず「現状」で役割を割り振ってしまう。
短期的成果に目を向けるリーダーだと、どうしても「現状、これが得意だから…」「これをやらせておけば安心だから…」ということで、「今すぐ上がってくる成果」を求めがちになる。しかし、それではメンバー側は「また同じような仕事かよ」と飽きを感じるし、またやる意義を見失いがちになる。
他方、成長を期待して仕事を割り振り、特に「あなたには、今期のタイミングでこれを頑張ってもらって、こうなってほしい」というように未来像を握ることが出来れば、大きな成長を促すことが出来る。
戦力配置は、その時のベストではなく、成長、ステップアップを見越しながら。その教えは、今なおチームビルディングに取り込み続けていきたいところである。
自戒の念を込めて。