世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【メンバーのパターンを見抜く。】

尊敬する上司には、自分のパターンを打ち砕かれたこともいい思い出だ。そして、その体験がその後の役に立っている。


<ポイント>
●殻にこもってやり過ごすのは、相手の話を聞いていない。
若かりし頃、自分は困った時には何も考えずに「すみません!」と誠心誠意謝る、という手法を取っていた。が、これ、新入社員ならともかく、入社数年経ってからは「何も考えずに、自分の殻にこもってやり過ごす」だけの逃げに陥っていた。おまけに、何を言われても「すみません!」と謝るだけなのだから、相手の話なんてまるで聞いていない。どこが誠心誠意なんだよ(苦笑)。


インパクトを与えて、殻を打ち破る必要がある。
しかし、自分は超真剣なので、そのような自覚が全くない。なので、
自分「すみません!」
上司「謝ったって解決しないだろう。お前、謝るな!」
自分「すみません!」
というギャグのようなやり取りが発生する…。
そこで、尊敬する上司が取ったのが荒療治。「お前、いっつもいっつも謝ってるだけで、何も解決しようとしてないんだよ!それじゃダメなんだ!」と言われ、灰皿を蹴飛ばされた。灰が飛び散る様子がスローモーションのように感じられたのは、今でも思い出す。ま、灰だからスローモーに舞い散るのは普通なのだが、そんな光景にはついぞ出会っていないので…
これはインパクトがあり、さすがに反省した。それから数か月して、この上司から「最近は青天井に伸びているよね」と言われたときは本当にうれしくて、飲みながらガッツポーズしそうになった。


<問題の所在>
●「その場しのぎ」の勝ちパターンは成長を阻害する。
結局、振返ってみると、それまでは一切相手のことを考えないで、自分のリズムでしか仕事をしていなかった(←ダメサラリーマンもいいところだ)。その場さえしのげればいい、それが勝ちだ、と無意識に思い込んでいたのだが、結局、自らの成長を阻害していただけであり、中期的に見ると最悪の負けパターンだった。
要するに、その後上司から「青天井に伸びている」と褒められたものの、所詮「止まっていた成長をしはじめた」だけであり、人並みに追いつき始めただけだった、というのがよくわかる。
いや、まったく汗顔の極みだ。


そして、月去り星は移る。いつの間にやら、自らが殻にこもるレベルから、逆に殻にこもったメンバーの成長を促す立場になった。インパクトを与えることは大事だが、その前提として、信頼感、安心できる関係性が不可欠である。それを築き上げたうえで、行動する必要がある。


自戒の念を込めて。