かつて、モチベーションは非常に高いが、それに比例して呼出バン バン、鬼のように厳しい部署にいたことがある。そのときに仕えた リーダーが極めて優秀な方だった。
<ポイント>
●聞かれる前に、自ら発信する姿勢。
今でもそうだろうが、21世紀に入ったばかりは、それはそれは上 司を残して帰る、ということは「場の空気」が許さない、 という感じがあった。しかし、このリーダーは、こちらが聞く前に 「おお、付き合い残業やめてくれよ!!」と自ら発信してくれたの で、こちらも帰りやすかった。
●笑いを入れるという「ほぐし」。
もちろん、それだけでも帰りにくい、というのが場の空気。そこで 、すかさず「大丈夫!呼び出すときは嫌でも呼ぶから!(笑)」 と言葉を継いでくれた。そういわれると、メンバーとしても「 ですよねー(笑)。じゃ、今日はお先に失礼します」 と言いやすい。やはり、笑いで空気をほぐす、 ということは大事だ。
<問題の所在>
●リーダーがメンバーの「視点から」見ているか否か。
よく「リーダーの仕事は、メンバーのことをよく見る事」と言われ る。まずもって、これができているか否か、ということが非常にハ ードルが高い。
しかし、この例でいえば「メンバーのことを見る」のさらに上を行 く「メンバーの視点から見る」ということができるか、 というレベルである。これができてこそ、真の共感を得られるとい うものだ。傾注しているU理論で言うところの「レベル3」 であり、非常に高いセンスを感じる。
すでに、このときのリーダーの年齢は超えたが、自分にはまだまだ できていないことである。しっかり、先人の域に達し、 超えていきたいものだ。
自戒の念を込めて。