世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【映像の世紀プレミアム(第15回)を観て。】

影像の世紀プレミアム最終回は「1964年」。東京オリンピックに向かう当時の映像で、その時代を振り返る中身であり、非常に興味深かった。そこから、考えたこと。

●記憶より記録。
ともすると、「あの頃はよかった」と語られがちな高度成長に向かう日本。三丁目の夕日のように「のどかで、でも家族的で…」というような表現もされる。
しかし、今回の映像は、人体売買、日雇い労働者のブラック労働など、まさに「その日暮らし」を強いられている人達にスポットを当てる。到底「のどか、家族的」とは縁遠い現実がそこにはあった。
人間は、忘却する生き物である(そうでないと生きていけないという側面もあるが)。そして、過去を思い起こすときには「現在から遡って記憶を引っ張り出す」ため、必ず「記憶が変質する」ことになる。
記録の大事さ。それを、改めて感じられた。

●いつの時代も、問題は「進化して現れる」。
今「異常気象」が大問題になっている。しかし、1964年当時の東京も、水不足からの水量制限(水道が出なくなる時間帯を設けて、水不足を乗り切る)という事態に陥っていた。そのために、ダムなどの工事がなされていった。
昔は昔なりに、問題は発生していた。しかし、人類が進化するのと同様、残念ながら問題も進化していく。その「大きな流れ」を見失わないことが大事なように感じる。

このへんは、仕事でも同様である。十分に留意したい。自戒の念を込めて。