世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】勝間和代「断る力」

今年113冊目読了。経済評論家として人気を博する筆者が、自分の軸を持ち、生産的な提言や好循環をつくる変革を薦める一冊。

〈お薦め対象〉
本当の自分らしい人生を生きたい人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★★★
〈実用度(5段階評価)〉
★★★★★

自分の問いは3つ。
『断らないとどういうことになるか?』には「コスト勘定で処理をされる。モノを深く考えないで済む。嫉妬されることを避けるがあまり、自分が持っていた突出した能力をなくす」。
『断るときに必要なことは?』には「常に自分の頭で考える。対等な人間関係であるという対等概念。自分に対して責任をすべて持てるのは自分一人だけ」。
『断った先にある世界とは?』には「自分が労力をかける分野を厳選して、そこだけに力を使う。事実なんてない、あるのは認識だけだ。自分たちの限界を知るからこそ、お互いに学び合っていく」。

発売当初、大いに話題を呼んだが、今更ながら読んでみて「ああ、なるほどなぁ…」と非常に共感する。「人をファンにするには、時間の積み重ね、集中でしか磨けない圧倒的才能が必要」「言いたいことを言うからこそ多くのファンがいる」など、実際にそのような生き方を体現している筆者だからこそ、そこにパワフルな説得力が生まれる。

テレビ先行だと、どうしても勝手な「食わず嫌い」意識が出てしまうが、実際の主張を見ると非常に筋が通って、かつわかりやすい。そこを実践し続けているという自信が、厚みを持たせている。これは、タイミングがずれたが読んでよかった。いや、それぞれの本は、その人にとっての旬がある。読みたいというきっかけに惹かれるように読んだ時がベストタイミング、なのだろう。