世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】一個人編集部「日本遺産を旅する」

今年58冊目読了。2015年度から始まった「日本遺産」の初回登録遺産18を紹介する一冊。

「そもそも、日本遺産って何だよ。世界遺産のパクりじゃねぇか」と思っていた。この本を読んでみると、「点在する文化財を一定のテーマの下で、面として一体的にPRする」という文化庁の狙いが理解できるし、どこもそれなりに興味はそそる。

…しかし。訪日外国人のために「2020年度までに100件程度登録する」「観光の受け皿となる日本遺産を、日本各地にバランスよく存在させる」など、「答えありき」感が否めないと共に、どうにも、どれもこれも教科書臭い感じがする。「あぁ、いかにも官製観光だなぁ…」というところ。21世紀にはどうなんだ?と思わざるを得ない(←観光地に罪はないが)。

歴史オタク、国宝マニアですらこう思うのだから、これが外国人観光客を引き寄せるとは到底思えない。マーケットインではなくプロダクトアウトの典型。

こりゃ、文化庁デービッド・アトキンソン「観光立国論」を読んで、目から鱗を落とさんといかんな。