世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【国宝】吉備津神社本殿及び拝殿

1425年、桁行正面5間、背面7間、梁間8間。檜皮葺の入母屋屋根に千鳥破風を2つ並べた、神社建築唯一の比翼入母屋造。本殿に続く拝殿は、正面1間、側面3間、棟高39尺で、切妻屋根檜皮葺。


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吉備津神社は、御祭神は大吉備津彦命。七代孝霊天皇の皇子として、吉備国を平定し、吉備の中山山嶺に葬られたという。その後、仁徳天皇が、吉備国行幸の際に大吉備津彦命の業績を聴かれ、ここに神殿を創建・奉斎されたと伝わる。940年には、三備(備前、備中、備後)一宮と称せられ、高い神威を持っていた。また、大吉備津彦命の伝承は、桃太郎のルーツともいわれる。

1390年に後光厳天皇の勅命により、足利義満が再建に着手。1425年に現在の社殿が落成した。この建築様式はここだけなので「吉備津造」とも称される。

広い敷地に、長い回廊。そこを登っていくと、少し開けた場所で独特な造りの本殿・拝殿を観ることができる。その規模感、そして特殊な様式。誰がどのように考えて、このような意匠としたのか。そのチャレンジングな精神を受け入れる鷹揚さを感じる。そういう心持ちこそ、今の時代に必要なのかもしれない。