世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【国宝】大太刀(無銘・伝豊後友行)

大山祇神社所蔵。全長275センチ、刃長180センチ、反り5.4センチの非常に長く豪快な太刀。地鉄は大模様の板目流れで、刃文は互(ぐ)の目調の小乱、棒樋(溝)を掻いてある。銘はないが、豊後の刀工・友行の作と伝える。
 
拵の柄は革で包み、石目地に黒漆塗りの敲(たたき)塗り、鞘は黒漆塗りの薄革と飴色の革で二重に包む。鐔は木瓜形の練革重ねに黒漆をかけ、金銅の覆輪をかけてある。「集古十種」に名があり、楠木正成を討った大森彦七の愛刀で子孫が奉納した。
 
実際に見て、その迫力に圧倒される。「どんな豪傑が、これだけの刀剣を帯びて闘いに挑んだのだろうか?」というサイズ、そしてどっしりとしたフォルム。勝利に向かう力の源泉、としてこの刀を奉納したという気持ちは本当によくわかる。そして、こんな刀を使いこなせる人間はほとんどいないであろうことも(苦笑)。刀剣は、サイズ感と輝きが掴みづらいので、やはり実物を見るしかない、と感じさせられた。