大山祇神社所蔵。全長275センチ、刃長180センチ、反り5.4センチの非常に長く豪快な太刀。地鉄は大模様の板目流れで、刃文は互(ぐ)の目調の小乱、棒樋(溝)を掻いてある。銘はないが、豊後の刀工・友行の作と伝える。
拵の柄は革で包み、石目地に黒漆塗りの敲(たたき)塗り、鞘は黒漆塗りの薄革と飴色の革で二重に包む。鐔は木瓜形の練革重ねに黒漆をかけ、金銅の覆輪をかけてある。「集古十種」に名があり、楠木正成を討った大森彦七の愛刀で子孫が奉納した。
実際に見て、その迫力に圧倒される。「どんな豪傑が、これだけの刀剣を帯びて闘いに挑んだのだろうか?」というサイズ、そしてどっしりとしたフォルム。勝利に向かう力の源泉、としてこの刀を奉納したという気持ちは本当によくわかる。そして、こんな刀を使いこなせる人間はほとんどいないであろうことも(苦笑)。刀剣は、サイズ感と輝きが掴みづらいので、やはり実物を見るしかない、と感じさせられた。