世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】松村真宏「仕掛学」

今年50冊目読了。大阪大学大学院経済学研究科准教授の筆者が、人を動かすアイデアのつくり方を書き記した一冊。

〈お薦め対象〉
人が動いてくれずに困っているすべての人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★★★
〈実用度(5段階評価)〉
★★★★★

自分の問いは3つ。
『人間の行動の特性は?』には「楽をしたいのは人間の性。私たちが直面する多くの問題は私たち自身の行動がつくり出している。どんな問題にでも自分の得意な手法を使うことにこだわってしまう。」。
『仕掛の特徴とは?』には「こうしたほうがよい、と直接伝えず、ついしたくなるように間接的に伝えて問題解決を狙う。正論を阻害するものではなく、実現されない正論に対処するための代替的アプローチ。副作用として飽きる」。
『仕掛はどのように作ればよいか?』には「繰り返し観察される出来事や行動の理由を考える。子供を観察する。自分自身の行動を客観的に観察して内省する」。

非常にわかりやすい上にインパクトがあり、かつ実務への実装可能性が極めて高い。非常に秀逸であり、かつ読みやすい。これ、かなりパンチ力がある話だ。
仕掛の発想法として「仕掛の時間を転用する、行動の類似性を利用する、仕掛けの原理を利用する」を挙げたりしているのも素晴らしいのだが、何より集めた実例がとてもわかりやすい。この本は再読必須。何度も参考にしていきたいし、ぜひ、一読をお勧めしたい。