世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】深谷純子「引きずらない技術」

今年30冊目読了。レジリエンス協会常務理事の筆者が、心のモヤモヤがスッと消える方法を書き記した一冊。

〈お薦め対象〉
ついつい物事を引きずってしまう人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★★☆
〈実用度(5段階評価)〉
★★★★☆

自分の問いは3つ。
『なぜ、ものごとを引きずってしまうのか?』には「問題や自分にきちんと向き合えていない。何をしたいのか、自分の未来が見えない。わかっているけど決められない」。
『どのようにストレスに対応するのがよいか?』には「①ネガティブ感情を受け入れる。②思い込みを見直す。③肯定的な意味づけをする。④頭に良いレッテルを貼っていく」。
『ひきずり状態からすぐに抜け出すには?』には「①やりたいことを10個考える。②良いこと日記をつける。③ちょっと近い未来から自分を眺める。④立ち止まらず、とにかく行動する。⑤良い面を観ようとする。⑥自分ができることに集中する。⑦自分の感情に気づく。⑧ほかの選択肢を考える。⑨自分の強みを使う。⑩現実と課題を区別する。⑪うまくいっている人のまねをする。⑫完璧を目指さない」。

簡単に読める一冊であり、「失敗しないのが良いのではなく、失敗からうまく学ぶことが大切」「大事なのは、壊れるか壊れないか、ではなくて、壊れてももとに戻る力があるか」など、頷ける記述も多い。ただ、惜しむらくは手法が表面的にすぎてしまい、根本のところには踏み込めていないところ。結局、応急処置はできたとしても、根っこの部分が解決していないので、同じことの繰り返しになってしまう。

ま、特効薬がほしい人、こういった心理学の勉強をあまりしていない人にはお勧めだろうな。少し勉強している人には物足りない感まんまんだが、「入門書」的な位置づけと解釈しておこう。