今年7冊目読了。苦悩に運命づけられた純愛と、その悲劇の結末はあまりにも有名。これは若い頃に読んでおいたほうがよかったな…と思いつつ、40過ぎて読んでみた。
なるほど、こういう話だったのか、という感想を抱きながら、ロミオとジュリエットの純愛に「へー、ほー」と斜めに向き合う。ま、あまりにも自分自身が周囲を見てきたことも含めて現実にまみれすぎている、ということなのかもしれんが…他方、周囲の人々の諸々の動きは、やはりシェイクスピアらしく、非常に人間の愚かなこだわりが導く悲劇を描き出している。
何冊もまとめてシェイクスピアを読んで感じたのは「優れた人間心理の観察と、とんでもない修辞力をもって、大いなるストーリーテリングをしたんだなぁ」ということ。だいたいの劇に「種本」があるとはいえど、やはり時代を超えて圧倒的に残っている、というのは、人間心理を深く貫いていることと、どの翻訳者も膝を折るしかないほどの比喩力ということなんだろう。一体、何をどうすればこんな劇が書けるのだろうか?と、凡人には皆目見当もつかない。
基本的に「どの本も、自分にとっては、手に取ったタイミングがベストである」が持論なのだが、さすがに本書は(繰り返しになるが)若いころに一度読むべきだったなぁ…