世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】ウォーレン・バーガー「Q思考」

今年64冊目読了。ジャーナリストにしてデザイン思考・イノベーションを強みとする筆者が、シンプルな問いで本質をつかむ思考法を書き記した一冊。

〈お薦め対象〉
現状を変えようとチャレンジをしたいすべての人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★★☆
〈実用度(5段階評価)〉
★★★★☆

自分の問いは3つ。
『なぜ、質問が大事なのか?』には「変化を起こすためには、踏み鳴らされた道から外へ質問によって一歩を踏み出す。ものをたずねようとすると、自分の知らないことについての思考を整理できる。質問しなければ学べない」。
『質問を妨げるものは何か?』には「恐れの感情は好奇心の芽を摘む。問うことが勉強不足や反抗的ととられる。いったんレッテルを貼ると、知っているものとなり、それ以上考えなくなる」。
『質問するときに、留意すべきことは?』には「無知こそ、創造性とイノベーションにとってのチャンスの土地。疑問を抱いたり試したりすることに抵抗を感じなければ、変化が冒険に見えてくる。質問は、拡散的思考・収束的思考・メタ認知的思考の賜物」。

考え方、問い方という点では非常にヒントが多いのだが、なんだか同じことを繰り返し繰り返し手変え品変え論じているようにも感じる。ので、なんだか読んでいて正直とても疲れる。「アイデア出しは、無意識のときこそうまくいく」「人は希望があると感じ、環境が味方してくれていると実感できる時には、積極的行動をとる」「集団は習慣で物事を進めがち」など、とても納得できる記述も多いだけに、もうちょっと頭を整理して書籍化できんかったのかな、と残念に思う。

ただ、基本的思考は非常に優れていると感じるので、一読をお勧めしたい(もっとも、覚悟は持つ必要があろうが)。