世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【防災には、訓練と準備と、それから。】

先日、防火防災管理者の資格を取り、かつ防災訓練も行い、さらには「災害は 忘れた頃に やってくる(伝・寺田寅彦談)」どころか「災害は 忘れる間もなく やってくる」という昨今の状況。そこから、考えてみた。

《ポイント》
●防災訓練は、受け身になりがち。
防災訓練の時に、気を付けねばならないのは「訓練が目的になる」に陥らないこと。ともすれば「招集がかかって、仕方ないから参加」という心持ちにもなりかねないが、どうせ同じ時間を使うなら、意識を前向きにしたほうがいい。

●漠然とした不安より、具体的準備。
これだけ様々な形で、災害の様子を視覚として捉えることが出来てしまうと、否応なく不安が高まる。もともと、人間の脳は、猿の頃から「生存のために、不安を強く感じる」癖がある。
しかし、そこからが大事。膨れ上がった不安の原因を切り分け、個別ケースで具体的準備に繋げる事が重要。ただ「怖いね」だけでは、何にもならない。

《問題の所在》
●「災害時は、冷静でいられない」という事実を忘れている。

防火防災管理者講習で「人間は、普段はこうあるべき、で行動できるが、災害時にはパニックになってしまい、全く思いもよらない行動にでる」と教わった。それは、真理だろう、と思う。

なんなら、日常生活においても、感情的に余計なことを言ったりやったりして、後悔する…なんて事は、いくらでもある。まして、災害時において、いかに訓練や準備があったとしても、感情の揺らぎは半端ではないはず。その状況で、訓練や準備を生かせるか?となると、非常に疑問だ。

勿論、訓練も大事、準備も大事。しかし、一番大事なのは、日頃から「平常心を保ち、感情に振り回されない」という鍛練。災害時のパニックを防ぎ、持てる知識技量を最大限に発揮するには、意外に、日常の感情コントロールの積み上げが効果的なのかもしれない。

自戒の念を込めて。