世界遺産マニアとしては、そもそものアイデンティティを揺るがすような問いだが(笑)、今回、宮古島を旅行してみて、心からそう感じた。
家族旅行で訪れた、宮古島。世界遺産でもなく、国宝もなく、そういった「肩書き」からすると、忘れられた島。でも、実際には、観光客が千客万来、国内のみならず海外からも多数の旅行者が訪れている。これは、どういうことか。
かつてワタクシが訪問したニューカレドニアは「 ニューカレドニアの礁湖:サンゴ礁の多様性と関連する生態系 」として、世界自然遺産に登録されている。それは、筆舌に尽くしがたい美しさだった。
ニューカレドニアの、「天国に一番近い島」の海岸。
でも。宮古島も、負けず劣らず素晴らしい。
この違いは何か?
分かつのは、登録基準。ニューカレドニアは「自然美、景観美」の他に「生物多様性」「絶滅危惧種の生息地」として世界遺産登録されている。
しかし、宮古島には、それがない。その違い。
…まぁ、宮古島周辺は、近隣の離島を橋で結ぶなど、地元かつ観光の利便性を優先している感もある。しかし、その海の美しさは、まったく引けを取らない。
勿論、世界遺産は、国際条約で保全の意義と価値が認められている。でも、それだけではなく、「良いものは、次代に繋ぐ」。そういう意識がないと、ともすると世界遺産絶対主義に陥り、地域で必要なものが保全されない。それは、本末転倒。
大事な地球を未来に繋ぐのは、我々の心持ちから。そう、感じる。