世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】榎本英剛「本当の仕事」

今年49冊目読了。CTIジャパンを設立してコーチングを日本に提供し、現在はよく生きる研究所を設立した筆者が、自分に嘘をつかない生き方・働き方を書き記した一冊。
 
〈お薦め対象〉
自分の仕事が天職である、と言い切れないすべての人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★★★
〈実用度(5段階評価)〉
★★★★★
 
自分の問いは3つ。
『なぜ仕事を辛く感じるのか?』には「精神的豊かさに対する渇望感が満たされない。日本人が仕事を4つの色眼鏡で仕事を見ている。①仕事は生計を立てるための手段②仕事はやりたくないことをやること③仕事は既存の職業に自分をあわせること④仕事は同時に1つしか持てないこと」。
『仕事をどのように捉えるべきか?』には「仕事とは自らの存在意義を探求し、それを表現すること。世の中に問題がある限り、仕事がなくなることはない。自分の純粋意欲を表す言葉を仕事に付け加えることで、次第に職業にその人らしさが浮かび上がる」。
『人生とどう向き合えばよいか?』には「意味づけ1つで人生は劇的に変わりうる。夢に向かうときに芽生える恐怖心は客体化し、恐怖心に同化するのを避ける。今まで自分がしがみついていた考え方やものの見方を手放す。自分に存在意義があると信じる」。
 
平易な文章で読みやすいが、中身の深さは圧倒的。それでも重く感じられないのは、筆者の温厚な性格に包まれた迸るエネルギーゆえであろう。「天職創造のステップは①自分の純粋意欲に気づく②気づいた純粋意欲を人に話す③そこで起きる共鳴を見分ける④その共鳴を指針として行動を起こす」「心から何かをやりたいという気持ちは、神様が自分に与えてくれた贈り物」「存在意義は、他者、世の中と関わってこそ生きる」など、深く仕事と人生について考えさせられるコメント多数。
 
この方の本はいずれも読みやすく、かつ深いのだが、この本も非常にお薦めだ。「仕事が辛い」と思っている人なら、なおのこと、必読の書と言える。