世界遺産マイスターKの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター保有の読書好き。世界遺産×書籍という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】筒井淳也「結婚と家族のこれから」

今年46冊目読了。立命館大学産業社会学部教授の筆者が、共働き社会の限界について書き記した一冊。

〈お薦め対象〉
家族のあり方について迷っている人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★☆☆
〈実用度(5段階評価)〉
★★☆☆☆

自分の問いは3つ。
『今まで、家族はどのように変化してきたか?』には「古代の男女平等から、中世から近代の男性優位を経て、再び男女平等に近づく。雇われるとは会社の指揮下に入ると同時に、家からの経済的自立を獲得する。皆婚社会は、家制度が基盤を失い、雇用された男性と家事をする女性が1対1で結婚してはじめて実現」。
『現代の家族のあり方の問題点は?』には「経済の中心が家から会社に移り、男性は家から自立したが、女性は依然として男性の経済力に依存し、男性より不自由。豊かな国の共働き夫婦のニーズが、結果的に貧しい国の女性から自分の子供を育てる機会を奪う。ケアはパーソナルさがあるため、画一的サービスが提供できず、コストが下がらない」。
『今後、家族について留意すべきことは?』には「家事、育児は分担ではなく労働と捉える。仕事、家庭それぞれに、あくせく働く時間とほっと一息つける時間が混ざっている。家族を最後のセーフティネットとせず、家族が失敗したときのリスクを減らす」。

「親密性は特別扱いとパーソナルさ」などの記述は大いに納得できるが、どうも核家族と共働きの両方の論点がごっちゃになっている気がする。それ故に、問題に対する処方箋もイマイチ。なので、指摘は理解できるが、どうにもしっくりこない読後感が残る。

まぁ、興味があれば、というところかな。新書なので、負担感は少ないし。