世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【国宝・彦根城】

哀しき事により、訪れた彦根。しかし、メソメソしてても故人に失礼だ。葬祭では故人を偲び、その前には割り切って知見を広げる。それも、遺志の引き継ぎかと思う。

彦根城は、1604年築城。関ヶ原後、石田三成の本拠である彦根藩をを井伊直政が託され、長男直継が完成。

丸みを帯びた唐破風や切妻破風を駆使した変化の多い屋根、花頭窓が特徴的。


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内部には、四カ所の隠し部屋、82もの鉄砲狭間、矢狭間があるなど、軍事色が濃い。

琵琶湖を臨む場所に位置し、交通の要衝に威容を示す彦根城。日本に5つしかない国宝天守閣の一角を担い、今日も湖東に鎮座する。



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国宝の証が、天守閣に飾られている。


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湖東を臨む眺望は美麗の一言に尽きる。

…さて、ここまで絶賛してきた彦根城なれど、実は、世界遺産ではないのだ。日本式城郭建築として、姫路城が世界遺産登録されているので、「独自性」が証明できない、というのが実態。暫定リストに入っているけれども、正直、世界遺産登録は難しいかな、と思う。


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まぁ、地元としては期待しますわな。

観光需要としては、色々ありつつも、無理に世界遺産登録だけを目指す必要はないのかな、とも思う。無理筋な登録なんぞ、意味がないし、国宝としての意義を、今後の世代に伝えられれば。そういう、彦根城であってほしい。