世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】鈴木秀子「聖なるあきらめが人を成熟させる」

今年35冊目読了。国際コミュニオン学会名誉会長にして聖心会シスターの筆者が、苦境を含めた人生への向き合い方を書き記した一冊。

〈お薦め対象〉
苦境に悩む人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★★★
〈実用度(5段階評価)〉
★★★★☆

自分の問いは3つ。
『何故、人は苦しみ悲しむのか?』には「認められたい、褒められたい執着にこだわる。欠けているものを補おうとする欲求にとらわれる。頑張ることが執着となり、その執着が不幸を招く」。
『苦境にはどう対処すればよいか?』には「失ったものにこだわらない。悲しみも苦しみも、ただ心に収めておく。追いつめられた時こそ、全身全霊で生きて、あとは天に任せる」。
『普段から心がけるべき事は?』には「他者との価値観の違いを当たり前と捉える。暮らしの中で最善の方法を選ぶよう努力を重ね、カンを磨く。自分を変えるために、イメージトレーニングをする、感謝する、他者のために祈る」。

そこここに宗教・スピリチュアル臭がするので、ワタクシは苦手な文体だが、言わんとしているところは全く同意。「心の中にある感情は、相手にかける言葉に知らず知らず投影される」「脳の仕組みとして、感情は聴覚に従いやすい」あたりも、体感としてよくわかる。

様々な人々の苦境、苦悩の事例を掘り下げているので、さらりと読める。文体の趣味はあるかもしれないが、苦境に立たされている人は、軽く立ち読みして、適合すれば読んでみてもいいかも。
実は、母親に勧められた(≒押しつけられた)本。たまたま、このタイミングで読んでみた。まぁ、ワタクシにとっては肌合いが悪いので、まとめた後にはブックオフ、というパターンだが(爆)。