今年33冊目読了。東京疲労・睡眠クリニック院長の筆者が、疲労のメカニズムと対応方法を書き記した一冊。
〈お薦め対象〉
疲れと戦う現代人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★☆☆
〈実用度(5段階評価)〉
★★★★★
自分の問いは3つ。
『なぜ疲労するのか?』には「活性酸素が脳で神経細胞を攻撃する。細胞が酸化ストレスに晒され、細胞本来の機能が維持できなくなる。運動疲労は、自律神経の中枢の疲労」。
『疲労の特性は?』には「一つの神経回路を繰り返し使うと、酸化ストレスで疲労する。ヒトの脳は、ランナーズハイのように、疲労感というアラームを、意欲や達成感で簡単に隠す。疲れがたまると、視野が狭くなる。」。
『疲労に対処するにはどうすべきか?』には「脳のワーキングメモリーを強化するため、複数のことを同時に考えて行動する。記憶に感動を伴わせ、タグ付けする。物事を多面的に見る、多くの人とコミュニケーションを取る、興味を広く持ち多趣味になる、など、脳を創造的に使う。」。
途中、かなり科学物質のマニアックな話になるので、そこは読んでて疲労する(←なんだ、この入れ子構造)。「きちんと寝る」「鶏ムネ肉、魚の尾鰭付近を食べる」「飽きたら、それに集中しようとせず、休む」などの当たり前な対策だけでないところは、勉強になる。「人の体は揺らいでいるので、自然の揺らぎを心地よく感じる」も、直感、わかる気がする。
新書だが、実はハードル高い。そこさえ留意しておけば、面白い一冊だ。