世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】西野亮廣「革命のファンファーレ」

今年32冊目読了。芸人にして、絵本「えんとつ町のプペル」を爆発的にヒットさせた筆者が、現代のお金と広告について書き記した一冊。

〈お薦め対象〉
現代を生きる全ての人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★★★
〈実用度(5段階評価)〉
★★★★★

自分の問いは3つ。
『今の時代は、昔と何が違うのか?』には「頑張れば報われる時代は終わり、変化しなければ生き残れない。インターネットが物理的制約を破壊し、あらゆるものが無料化した。貯金の時代から、信用を貯める『貯信』の時代に」。
『稼ぐために、何を考える必要があるのか?』には「人が時間やお金を割いて、その場に足を運ぶ動機は、いつだって確認作業。一番の広告は、作品のクオリティを上げること。他人が自分に時間を使いたくすることで、他人の時間を奪う。」。
『今の時代にどのように向き合うべきか?』には「スマホがカバーできない娯楽は体験のみ。やりたいことを掛け持つことは、これからを生きる術。答えはいつも行動が教えてくれる。歳を重ねることを、衰えではなく成長とする」。

とにかく、著者の精緻な洞察、分析に驚かされる。「人間は承認欲求の塊」「人は、自分のポイントを上げるために人を喜ばせている」など、本当にお見事!という感じ。「感情、常識、お金に支配されることを避ける」も、普段意識しているところで、実に共感できる。

「芸人の書いた本だろ?」と甘く見ると、痛い目に遭う。筆者は、地頭もいいし、猛烈に勉強している(本書でも「圧倒的努力」に言及している)。読書会の課題図書だったから読んだのだが、これは現代を生きる人にとって、必読の書だ。既出の知識が多いのだが、ここまで分かりやすく情報編集した筆者に脱帽。