世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【仕事の心理学】名刺交換の魔力

今日は、時間外で発生した「仕事の心理学」。
名城大学の産学共同フリースペースに出入りしているのだが、そこの懇親会に於いて、名刺交換により、異業種交流モードとなり、いつものモードと違う雰囲気が作られた(←そして、この状況の片棒担いでたの、ワタクシ)。完全に「男社会の縮図」。フリースペース、もっとフランクな場なんだけどな。

そこから、考えてみた。

《ポイント》
●名刺による「評価の固着」
女性は、コミュニケーションが得意。ともすれば散漫になる(=解決策まで辿り着かない)という点はあるが、対話を通じて相手の評価を練り込んでいく、というセンスには長けている。
他方、男性は、解決策一直線!のコミュニケーションは得意だが、対話で相手の評価を練り込んでいくことは苦手。何故って、自分にしか興味がないから(爆)。
そんな男性にとって、名刺は「この人はこういう人」と、お手軽に評価を固着できる手段。

●お互いのポジショニングのお手軽(≒手抜き)な確定
男性は、年次を含めて肩書きを確認するのが大好き。それは、自分が相手より上か下か、ポジショニングに迷うから。女性は、割とすんなりコミュニケーション取れるのだが、男性は、上下関係に規定されるので、そこを明確にしてからでないとコミュニケーションを取れないという癖がある。
名刺は、それを簡単に明示してくれるので、ここまで「お手軽ツール」として一般化したのだろう。

《問題の所在》
・コミュニケーションが苦手な「男」の手抜きシステム
コミュニケーションの基本は「相手を見る」こと。相手に適合しないことを言っても、鐚一文伝わらない。
そして、先天的にコミュニケーションが苦手な男性にとって、名刺というのは「観察という面倒がなくても、相手の肩書きによって上下関係の評価が固められる」手抜きが赦される。だから、これだけ名刺交換が好きなのだろう。付言すれば、「有名人や偉い人と名刺交換したがる」のは、「こんな有名人と名刺交換できる、俺」に満足するツールだけであり、自分の成長には欠片も寄与していないことに気付けない不毛な行動。

でも、今後は副業・複業が当たり前になり、特定の「名刺の肩書き」で自身を固着・表現できる時代は終わる。今後は、「名刺の肩書きを高める」ではなく、「名刺の枚数を増やす」、もっと言えば「名刺なくても自分を表現できる(名刺に頼らざるを得ない人間は貧者)」という時代になるのかも。そうなると、「独自性のある」自分を鍛えるしかない。

自戒の念を込めて。