久々の「ライフワーク」世界遺産ネタが、これでは哀しいのだが…
小池百合子東京都知事が、「築地市場を世界遺産に」と画策している、とのニュースが飛び込んできた。希望の党と民進党の連携で国政に失敗し、その後、ネタがない小池知事。何か、飛び道具が欲しいのはわかる。
しかし、だからといって、築地を世界遺産、というのは無理がありすぎる。不勉強極まりない。そもそも、世界遺産とは、顕著な普遍的価値(人類全体にとって現在だけでなく将来世代にも共通した重要性を持つ)がなければならない。築地に、それがあるのか?
因みに、顕著な普遍的価値(世界遺産オタク界隈では「Outstanding Universal Value」、略して「OUV」と言います)、基準が10(文化遺産が6,自然遺産が4)ある。築地が自然遺産である訳がないので、文化遺産の基準を見てみよう(便宜上、めっさ簡略化している)。
1)人類の創造的資質や人間の才能
2)文化の価値観の交流
3)文化的伝統や文明の存在に関する証拠
4)建築様式や建築技術、科学技術の発展段階
5)独特の伝統的集落や、人類と環境の交流
6)人類の歴史上の出来事や伝統、宗教、芸術などと強く結びつく
…どれを見ても、築地市場が当てはまるものはない。どんな不勉強な事務方が吹き込んだか知らんが、こんなトンデモネタを真面目に小池知事が検討しているとすれば、幻滅しかない。
「学びてのち、言を発する」。この姿勢が、大事だと感じる。自戒の念を込めて。