世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】エーリッヒ・フロム「愛するということ」

今年31冊目読了。 社会心理学者にしてメキシコ大学教授の筆者が、愛について書き記した一冊。

〈お薦め対象〉
愛に迷う、全ての人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★★★
〈実用度(5段階評価)〉
★★★☆☆

自分の問いは3つ。
『愛するとはどういう事か?』には「人間同士の一体化、他者との融合。人間の中に、あらゆる能動的で、自分の全体性と個性を保ったままの結合。愛する者の生命と成長を積極的に気にかけること。」。
『なぜ、本当に愛することができないのか?』には「恐れているから愛するという幼稚な愛にとどまる。全力をあげて愛する努力をしていない。愛は運であると勘違いしている。」。
『本当に愛するにはどうすればよいか?』には「集中するために、一人でいられるようになる。信念と勇気を失うタイミングを詳しく調べる。変化に気付く。手近にある理屈に飛びついて安易に合理化しない」。

本当に、古典書として、必読だ。こんなに自身の感覚がいい加減に扱われる今だからこそ、真面目に自分を磨き上げ、フロムの考え方から学ぶ必要があろう。

何なら、今のブームを考えるまでもなく、アドラーの次に来るのでは?と思うくらい、真理を衝いている。人生と、哲学と向き合うなら、必読の書だ。