世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】前野隆司×保井俊之「無意識と対話する方法」

今年15冊目読了。慶大大学院システムデザインマネジメント研究科教授の二人が、人と世界の難問を解決に導くダイアローグの力を書き記した一冊。

〈お薦め対象〉
無意識にアクセスしたいと思うすべての人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★★★
〈実用度(5段階評価)〉
★★★★★

自分の問いは3つ。
『今の時代の特性は?』には「ロジカルだけでなく、自分の感情、心の底から出るものが注目される。右肩上がりの経済が終わるとダイアローグが流行する。ロジックまみれの生活では、心が干上がり、感情をうまく出せなくなる」。
『今の時代に求められるものは?』には「ダイアローグで、他人の力を借りて自分と対話する。無意識の泉に潜り、湧き出る創造性、革新性を持ち帰る。リラックスできる安全な場により、無意識に眠っている能力を外へ出す。会社を幸せにする鍵は、ちゃんと対話をすることに尽きる」。
『何に留意して生きるべきか?』には「ダイアローグで、古層に潜り、論理の鎖から解き放たれる。時間軸を円環で捉え、今以外は忘れてマインドフルになる。循環する時間の中で、自分が美と感じるものを愛でる」。

これ以外にも「日本がダイアローグの姿勢に近いのは、攻められにくい島国、情報が欠落しやすい環境だったから」「主人と客がフラットに場で共鳴し、創造性を発揮するのは日本のお家芸」「文章を書いていて一番楽しいのは、脳から次々に言葉が出て、流れるように執筆できるとき」など、納得のフレーズが山ほど。対話形式で読みやすいし、必読書だ。