世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】ベンジャミン・パウエル「移民の経済的」

今年7冊目読了。テキサス工科大経済学教授にして自由市場研究所所長の筆者が、移民の歴史とこれからを書き記した一冊。

〈お薦め対象〉
今後の世界の人類流動に関心がある人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★★☆
〈実用度(5段階評価)〉
★★★☆☆

自分の問いは3つ。
『移民を取り巻く現状は?』には「移民が職、賃金、予算、同化に及ぼす影響のイメージは学術的研究と一致しない。不法移民が、人的資本ストックとなっている。先進国は、世界の富を最大化することに興味がない。」。
『移民のもたらす経済的効果は?』には「自由な国家間の労働移動は、グローバルな厚生水準を劇的に上昇させる。移民が退職後に帰国すると、医療、年金の面で移民先の国にプラス。国内の地方から都市部への大規模人口移動と同じ」。
『世界は移民とどう向き合うべきか?』には「世界の労働力を最も有効に使うため、最も生産性の高い地域に労働力を移動する。移民ビザを売り、個人所得税を減税する。移民政策は、思いやり、相互利益、成長志向を原則とする」。

章ごとに筆者が異なるオムニバス形式なので、かなり読みにくいが、それでも中身はなるほどなぁと感じる。今の自分達のとらわれが、世の中のエネルギーの最大化を妨げている、というトーンには全く納得。やはり、世の中にはこうやって向き合うべきなんだろうな。