世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

木暮太一「学校で教えてくれない分かりやすい説明のルール」

【読了】今年5冊目読了。富士フイルムサイバーエージェントリクルートなどを通じてわかりやすい執筆の仕方を研究した筆者が、説明の仕方を書き記した一冊。

〈お薦め対象〉
説明の仕方に悩むすべての人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★★☆
〈実用度(5段階評価)〉
★★★★★

自分の問いは3つ。
『何が説明を分かりにくくするのか?』には「言葉の意味がわからない。ストレートな表現ができていない。テーマがわからない(伝わらない)」。
『説明を分かりやすくするポイントは?』には「相手に理解してもらいたいと意識する。目的は説明の最初に伝える。伝えるべき情報を相手に応じて取捨選択する」。
『説明をするときに念頭に置くべきことは?』には「正確さと分かりやすさは多くの場合相反する。分かりやすさを判断するのは相手、理解されないのは自分の責任。相手の価値観を知れば、相手が理解できる言葉がわかる」。

さらりと読める本だが、「コミュニケーションは相手次第で変えるべき」という当然だが忘却の彼方に追いやられていることを改めて意識する必要がある、ということを感じられる。テクニック論も充実しているものの、コミュニケーションを相手次第で変える、ということが貫かれていることが非常にいい。といいつつ、自分もやってしまうのだが…自戒の念を込めて。