世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【お勧め!静岡県富士山世界遺産センター】

友人から勧められて、一度行ってみるか、と訪れた静岡県富士山世界遺産センター。

富士山を象った、富士桧を使用した独特の建物は、インパクト十分。かつ、富士山と一緒に写真に収めると、なかなかいい絵面になる。


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観覧料は300円(70歳以上、大学生以下、障害者など無料)と、なかなか太っ腹。オープン1ヶ月経っていないので、人出も多い。とはいえ、この金額では…と、あまり期待せずに入った。


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入館してみると、あに図らんや、「富士登山による『登拝』のバーチャル」という展示がかなり面白い。タイムラプスの映像で、富士登山で登っていくにつれ変化する眺望を、お手軽に楽しめる。なるほど、だから「スロープを登っていく」という展示スタイルを取っているんだな。これは、よくできている。

そして、登りきったところで、展望ホール正面に「富士山ドーン」!!これは、テンション上がる。実にうまい演出だ。たかが193mのスロープを歩いただけなのに、なんかやり切った感がある(笑)。富士山の参拝方法「登拝」と「遥拝」の双方を組み合わせて体感させる、というのは面白いコンセプトだ。


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そして、今度は降りながら、テーマ展示を閲覧するスタイル。「荒ぶる山」「聖なる山」「美しき山」「育む山」「受け継ぐ山」の5ゾーンそれぞれにタッチパネル展示となっており、楽しみながら学ぶことができる。富士山だけでなく、日本、世界の繋がりも意識して作り込んであり、「知識の広がり」という点でも好感が持てる。

ただ、世界遺産マニアとして、惜しむらくは「なぜ、富士山が世界遺産なのか?」を伝えるゾーンがないこと(涙)。もちろん、マニアからすると、「あぁ、ここは世界遺産登録のこのあたりを意識しているんだろうな」と感づくことはできる。しかし、それ、一般の方には理解できるのだろうか?やはり、「静岡県富士山『世界遺産』センター」と銘打つ以上、ここは不可欠と思うのだが…まぁ、幸いにして、タッチパネル展示がメインであり、ソフトの積み替えで対応は難しくなさそうだから、今後の拡張性に乞うご期待、というところかな。

何にせよ、この観覧料で、この展示内容は大満足。どうしても、富士山観光というと富士五湖山梨県)側がメインというイメージだが、富士山本宮浅間大社(参拝)と富士宮焼きそば(グルメ)に加えて、静岡県富士山世界遺産センター(学び)というコンテンツが加わったことは、富士宮の強みを重層的に増した感がある。


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新富士からのシャトルバスもある(つまり、新幹線アクセスがよい)ということだし、特に冬場(空気が澄んでいて、富士山の冠雪も多く、美しく撮影できる)に訪れてみると、楽しめると思う。