世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】マーティン・セリグマン「つよい子を育てる心のワクチン」

今年42冊目読了。アメリカ心理学会会長でポジティブ心理学に取り組む筆者が、メゲない・キレない・ウツにならないABC思考法を書き記した一冊。

〈お薦め対象〉
親はもちろんのこと、後輩や部下、何より自分を育てたい人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★★★
〈実用度(5段階評価)〉
★★★★★

自分の問いは3つ。
『人の考え方の傾向は?』には「成長期に達成体験を与えれば無力感を予防できる。自分こそ大切だと信じるほど、失敗したときの打撃が手痛い。悲観思考の源は遺伝、親の悲観思考、教師たちからの全面的批判、無力感を味わう体験」。
『ポジティブになるためのポイントは?』には「思考をキャッチし、無意識を評価し、正確な説明で悲観的考えに反論し、悲劇的結末を考えるのをやめる。自己否定に対し、一歩引いて、先入観を持たずに考える。問題解決の時には①スローダウンし、クールに立ち止まって考える②相手の立場に立ってみる③目標を選び、到達できそうな進む道のリストを作る④進む道のプラスマイナスを評価する⑤試行錯誤する」。
『子と向き合うときに留意すべきことは?』には「子供に、自分自身を知ること、自分や世の中に関する自分の考えに関心を持つことを教える。感情に対し、正確に事実に基づいて反論させる。問題解決に際して、全て解決せず、子供の試みをあまり批判せず、親が柔軟に対応して手本となる」。

ABC理論は、日本でU理論を広げている中土井僚さんに教えてもらっていたのだが、改めて学んでみると、実に優れた理論だ。自分の感情と距離を取るのに本当に最適。ついつい、忘れがちなので、いかに実践していくか、ということが大事。

分かりやすく読みやすいし、それでいて中身も秀逸。お勧めしたい一冊だ。