世界遺産マイスターKの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター保有の読書好き。世界遺産×書籍という切り口でご案内します。男一人の自炊飯にもチャレンジ中。

【デービッド・アトキンソン「新・観光立国論」】

【読了】今年28冊目読了。元ゴールドマン・サックス取締役の筆者が、日本の観光業のズレと、立て直しへの提言を書き記した一冊。

〈お薦め対象〉
観光業に携わるすべての人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★★★
〈実用度(5段階評価)〉
★★★☆☆

自分の問いは3つ。
『観光振興に必要なものは?』には「ほどほどの気候・豊かな自然・その土地ならではの異文化・その国固有の食事。文化財には説明と展示が不可欠。観光客の目的である、楽しみたい・刺激が欲しいを満たす」。
『日本の観光の現状は?』には「大量の客をさばく、供給者視点の効率を追求している。各国の観光客の特性に合わせようとせず、理解者を探すのみ。おもてなしがあるとは思われていない。」。
『日本は今後どうすればよいか?』には「外国人観光客という短期移民で、GDPを上げる。お金を落とす客に来てもらう観光へ転換する。観光戦略に多様性を持つ。日本文化の体験・寺社仏閣という歴史的資産を整備する」。

自身、観光に携わる者として、非常に耳の痛い指摘だらけだが、逆に、業界内で考えるより、これだけ思い切った指摘をガッチリ受け止めたほうがいいのかもな、とも思う。
とにかく、現状の延長線上には、未来はない。それを痛感できるだけでも、一読の価値がある。