世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【世界遺産を繋ぐ。~石見銀山~】


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先日、ふらり行ってきました18きっぱー世界遺産。で、世界遺産って、単体でも面白いけど、横の繋がり、広がりで捉えると、さらに面白くなる。

ということで、「銀」にまつわる世界遺産を紹介。

〈ヨーロッパ〉
・ランメルスベルク鉱山とゴスラーの歴史地区、ハルツ山地上部の水利システム(ドイツ)
 1000年にもわたって銀を生み続けた。10世紀後半に開発され、11世紀初頭にハインリヒ二世が「オットー・アーデルハイト・ペニヒ」と呼ばれる銀貨を鋳造した。


〈アメリカ大陸〉
・グアナファトの歴史地区と鉱山(メキシコ)
 16世紀半ばに銀鉱山が見つかってから大発展を遂げたが、富を得たのは一部スペイン人のみ。19世紀初頭には、メキシコ独立運動で反乱軍が初勝利した場所となった。

サカテカスの歴史地区(メキシコ)
 こちらも16世紀半ばに銀鉱山を中心に発展した都市。街が赤みを帯びた石材で作られているので「バラ色の街」と呼ばれる。

ポトシの市街(ボリビア
 1542年に銀山が見つかり、都市整備がされた。最新のアマルガム法という精錬方法で、17世紀には世界の銀の半分を占める15千トンもの銀を産出した。

・カミノ・レアル・デ・ティエラ・アデントロ -メキシコ内陸部の王の道(メキシコ)
 銀の道と呼ばれる。メキシコシティからアメリカのサン・フアン・プエブロまでを結ぶ道で、サカテカス、グアナファトなどから銀を運ぶ道として発展した。

 実は、アジア、アフリカ、オセアニアには「銀」の世界遺産は存在しない(交易品として絡むものはあるが)。この一点を取ってみても、石見銀山がかなり特殊であることがわかる。

 アメリカ大陸と同時代にシルバーラッシュに沸いた石見銀山。こんな繋がりで眺めてみても、面白い。