世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【姫路城というアトラクション。】

汗をかきかき、徒歩15分。ようやっと、姫路城の大手門へたどり着く。その惣構えの大きさを体感。実は、もう他界した祖父母が姫路に住んでいた関係で、幼少の頃に訪れたことがある。しかしながら、記憶は曖昧だし、何より当時は世界遺産オタクでもなかったので(そもそも、その頃にはまだ日本は世界遺産条約を批准していなかった)、ほぼ「お初」という感覚だ。


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大手門をくぐると、あったあった、世界遺産の銘板。やっぱり、これを見るとテンション上がるよなぁ(→オタク)。今や「国宝・姫路城」というフレーズと並んで、いや、それ以上に「世界文化遺産・姫路城」という響きはインパクトを持っている。


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いよいよ城内へ。チケットで「なるほどなぁ」と思ったのは「入『城』券」となっていること。確かに、そりゃそうだ。

案内人たちが、しきりに「ここから先はトイレがないから、すませてください」「熱中症対策に、水分をお持ちください」「混雑と事故の防止のため、入城制限を行う場合があります」と声を張り上げている。暑いのはわかるが、そんなに混雑するのか…実際、天守閣に向かうと、人、人、また人。これは凄いぞ。しかも、外国人も多いこと!靴を脱ぎ、天守閣内へ。確かに、急峻な階段がボトルネックになって、楼を上がるごとに行列が長くなってくる。コースロープがウネウネしている様子は、あたかも「金で夢を売る」某ねずみ王国のようだ。こんなんだったかなぁ?

みんな汗だくになりながら、ようやっと、地下一層、地上六層の天守閣を登り切る。ここからの眺めは、まさに姫路の街を全て捉えられる「天からの視点」である。これだけの建造物を、平成の大改修でやり替えたというのが凄い。城というハコモノだけでなく、技術も含めて、引き継いでいく。そこに、姫路城の凄さと魅力があるのかもしれない。


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天守閣を出ると、「播州皿屋敷」のお菊の井戸がある。確かに幼い頃の記憶があるのは、これと、挟間(さま。鉄砲を撃てるように土塀に開けた穴)くらいというのが寂しいなぁ。余談だが「あれ?番丁皿屋敷じゃないの?」と思ったが、どうも、播州と両方あるらしい。何となく謎は解けたが、いまいち釈然としない感じも残る。


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今度は西の丸へ。実務的な城としては、こちらのほうが便利だったんだろうな。記載されている歴史を見るにつけ、世界遺産検定で学んだ記憶が甦る。平成の大改修の様子を収めたビデオは、とても興味深い。映像は、本当に説得力がある。この技術の粋を集めて守り抜く姿勢も、世界遺産たらしめているのだなぁ、と感嘆するしかない。


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すっかり堪能して、大満足。しかし、城を出る頃には、なんと天守閣は30分待ち!ますます、某ねずみ王国のようだ。よもやまさか、ナントカ官兵衛さま(cf.NHK大河ドラマ真田丸」)も、堅忍不抜の城郭がレジャー施設のようになるとは、思いもよらなかっただろう。


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