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世界遺産マイスターKの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター保有の読書好き。世界遺産×書籍という切り口でご案内します。

【明治日本の産業革命遺産】


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〈ここが凄い!〉
西洋の技術を取り入れながら近代化を遂げた技術発展を今に伝える
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★☆☆
歴史学習は必須。また、単体ではその凄さが分かりにくい資産もある。
〈アクセス(5段階評価)〉
★★★★★
韮山反射炉なら、新幹線で三島まで一時間、そこから伊豆箱根鉄道で、悠々日帰り。その他も2泊3日圏だが、端島軍艦島)は、波が高いとそもそも上陸できない。
保有国〉
日本
〈登録年〉
2015年
〈登録基準〉
ⅱ:建築や技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展において、ある期間または世界の文化県内での重要な価値観の相互交流を示す遺産。


ⅳ:人類の歴史上において代表的な段階を示す、建築様式、建築技術または科学技術の総合発展段階、もしくは景観の遺産。


〈概要〉
●短期間での近代化の歴史的価値
 わずか半世紀で、江戸末期から明治にかけて「造船」「製鉄・鉄鋼」「石炭産業」において国家の価値観を変えて近代化し、急速に産業化を果たした。

●欧米技術の流入と、石炭によるアジア海運への影響
 明治末期に薩摩ではガラス・鋳造・活版印刷を行い(集成館が資産登録)、長州では吉田松陰が多くの人材を育てた(松下村塾が資産登録)。また、長崎ではトーマス・グラバーが蒸気機関を用いた石炭採掘を行い、日本独自の技術に発展させ八幡製鉄所・三池炭鉱・端島炭坑などを作っていった。


〈課題〉
8県11市に23の資産が点在するため、保全が困難。また、八幡製鉄所、長崎造船所など稼動中の資産もあるので、保全ばかりを推し進めるわけにもいかず、保全の複雑さを増している。

〈参考図書〉
黒沢永紀「軍艦島 奇跡の産業遺産」
長崎の端島鉱山の成り立ち、そこの生活、放棄後の状態を分かりやすく図説した一冊。
良質な石炭を産出するが故に、人口過密の島となり、コンクリートジャングルを東京よりも早く完成させた島。そこでの独特な暮らし、社会、そして閉山を、住人の写真やコメントを交えて生き生きと描き出す。
狭い島故の共同風呂が結ぶ近所付き合い、給料がよく使い道がない生活、狭いが故の子供たちの独特の遊び方など、とても不思議な感じがする。それにしても、コンクリートジャングルの割に、「一山一家」というくらいの付き合いの深さで、狭くて制約が多くても、かなりの住人は「最高な場所だった」というのは興味深い。