世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

読了書籍の書評

【読了】一個人編集部「日本遺産を旅する」

今年58冊目読了。2015年度から始まった「日本遺産」の初回登録遺産18を紹介する一冊。「そもそも、日本遺産って何だよ。世界遺産のパクりじゃねぇか」と思っていた。この本を読んでみると、「点在する文化財を一定のテーマの下で、面として一体的にPRする」…

【読了】トーマス・マン「ヴェネツィアに死す」

【読了】今年57冊目読了。ドイツの生んだ圧倒的巨匠の名作。…自身の文化レベルの低さを謗られるとしたら、仕方ない。甘んじて受け容れよう。 それにしても、本当に読みにくすぎる。「魔の山」を読んだときも思ったのだが、ドイツ人特有なのか、説明がいちい…

【読了】佐藤優「人をつくる読書術」

今年56冊目読了。元外務省主任分析官にして、作家の筆者が、本を読む人だけが得られることを書き記した一冊。〈お薦め対象〉 本を読むすべての人 〈お薦め度(5段階評価)〉 ★★★★★ 〈実用度(5段階評価)〉 ★★★★★自分の問いは3つ。 『読書は人に何をもたら…

【読了】モーパッサン「女の一生」

今年54冊目読了。フランスの短編小説の巨匠が残した、長編小説の名作。ある貴族女性の一生を、若かりし頃から老いさらばえるまで追いかける一冊なのだが、これが波乱万丈、意に沿わぬことが数々降りかかってくる。小説だから、ということではなく、多かれ少…

【読了】H.G.ウェルズ「盗まれた細菌/初めての飛行機」

今年53冊目読了。SF小説の大家であるイギリス人の筆者が書き記した、さまざまな短編小説を集めた一冊。表題作をはじめとして、どれもこれも、「ちょっと不思議な世界」に踏み込みつつも、現実に即しているために「あ、少しわき道に入ったらそんなこと起こる…

【読了】H.G.ウェルズ「タイムマシン」

今年52冊目読了。SF小説の大家であるイギリス人の筆者が、タイム・トラヴェラーが飛んだ80万年後の世界で直面した数奇な体験を記した一冊。そもそも、現在はドラえもんを例に出すまでもなく人口に膾炙している「タイムマシン」を、このような形で世に出して…

【読了】高田博行「ヒトラー演説」

今年51冊目読了。学習院大学文学部教授の筆者が、ヒトラーの演説が巻き起こした熱狂を、150万語のビッグデータから真実を読み解くべく書き記した一冊。〈お薦め対象〉 プロパガンダ、衆愚政治への警戒感を持つ人 〈お薦め度(5段階評価)〉 ★★★★★ 〈実用度(…

【読了】松村真宏「仕掛学」

今年50冊目読了。大阪大学大学院経済学研究科准教授の筆者が、人を動かすアイデアのつくり方を書き記した一冊。〈お薦め対象〉 人が動いてくれずに困っているすべての人 〈お薦め度(5段階評価)〉 ★★★★★ 〈実用度(5段階評価)〉 ★★★★★自分の問いは3つ。 …

【読了】丹羽真理「パーパス・マネジメント」

今年49冊目読了。Ideal LeadersのChief Happiness Officerである筆者が、社員を幸せにする経営について書き記した一冊。〈お薦め対象〉 社員の「本当の」働き方改革を考えるリーダー 〈お薦め度(5段階評価)〉 ★★★★★ 〈実用度(5段階評価)〉 ★★★☆☆自分の問…

【読了】ジェイムズ「ねじの回転」

今年48冊目読了。ニューヨーク生まれでイギリスで活躍した「小説の技法を極めた」と評される筆者が書き表した戦慄の物語。間接間接話法とでも言うべき独特の表現で展開される物語は、初めの穏やかさにもところどころ異常さが散りばめられており、読み始めた…

【読了】モーパッサン「宝石/遺産」

今年47冊目読了。 19世紀フランスが生んだ偉大な作家の中編、短編小説を集めた一冊。表題作の「宝石」は、パートナーの謎に包まれた二面性を強く感じさせ、またラストのわずかな文での強烈なインパクトがたまらない。「遺産」は、人間のエゴが剥き出しでぶつ…

【読了】モーパッサン「脂肪の塊/ロンドリ姉妹」

今年46冊目読了。19世紀フランスが生んだ偉大な作家の中編、短編小説を集めた一冊。表題作の「脂肪の塊」は、人間のうわべの綺麗事と、内面のドロドロ、そして状況が変わったときの軽薄な手の平返しを見事に描き出している。不快感しか残らない読了感だが、…

【読了】ブレヒト「ガリレオの生涯」

今年45冊目読了。ドイツの劇作家、演出家、詩人である筆者による、ガリレオ・ガリレイの地動説から異端裁判、その顛末までを劇作として描いた一冊。ブレヒトの軽いタッチで、しかしながら重たい話のやり取りが進んでいく様は、とても面白い。先見の明がある…

【読了】長谷川晶一「虹色球団」

今年44冊目読了。野球、格闘技、芸能を幅広く手掛けるノンフィクション作家が、日拓ホームフライヤーズの10ヶ月を今に蘇らせた一冊。1973年にだけ存在したプロ野球球団、日拓ホームフライヤーズ。「不動産オーナーが、売名(広告宣伝)のために一年だけ保有…

【読了】ブレヒト「暦物語」

今年42冊目読了。ドイツの劇作家、演出家、詩人である筆者による、「ちょっといい話」の短編集。簡単に読めるうえに、どれも機智に富んでおり、「ははぁ、なるほど」「お、これは面白い」など、軽くて教訓めいた感じではないのに、人生訓を巧みに織り込んで…

【読了】ロバート・スティーブンソン「宝島」

今年41冊目読了。冒険小説の定番中の定番であり、さまざまな形でのリメイクもされている海洋冒険小説。主人公が子供であるためか、子供向けとされてしまっており、またドラえもん映画2018でもモチーフとされている。もちろん、娯楽小説、ご都合主義と感じら…

【読了】デービッド・アトキンソン「国宝消滅」

今年40冊目読了。元ゴールドマン・サックス金融調査室長にして小西美術工藝社社長の筆者が、日本文化と経済の危機を書き記した一冊。〈お薦め対象〉 観光、文化財に関わるすべての人 〈お薦め度(5段階評価)〉 ★★★★★ 〈実用度(5段階評価)〉 ★★★★★自分の問…

【読了】フケー「水の精(ウンディーネ)」

今年38冊目読了。ドイツ貴族の出で、軍人になりながらも途中から作家に転じた筆者の代表作で、人と水の精の不思議な恋愛とその結末を描いた一冊。 森に迷い込んだ騎士と、そこで出会った水の精、そして騎士を想う女性、という三角関係はある意味鉄板の定番で…

【読了】ヘッセ「デミアン」

今年37冊目読了。 神学校をドロップアウトし詩人になった筆者が、少年から青年に進みつつある人物の苦悩と交流を描いた一冊。ひょんな事から、善良そのものの道から外れ、暗い世界に足を踏み入れてしまう主人公。そして、それを助けるも、寧ろ問いを投げかけ…

【読了】ヘッセ「車輪の下に」

今年36冊目読了。神学校をドロップアウトし詩人になった筆者が、自身の経験を下敷きにしながら若者の苦悩を描く一冊。エリートの主人公の全能感から、天才肌ながら魅力的な友人に惹かれていく様子、そしてそれによって道を外れていく過程が怖ろしくリアル(→…

【読了】宮崎市定「大唐帝国」

今年35冊目読了。京都大学文学部長を務めた著者が、中国の中世を圧倒的なスケールで描き出した一冊。畏友(というのもおこがましいのだが)がお薦めしていたので、これは歴史の勉強になるだろう、と手に取ったが、実に素晴らしい。中国史は、個別の権力者の…

【読了】中土井僚「図解 U理論の基本と実践がよ~くわかる本」

今年34冊目読了。セルフリーダーシップ開発のU理論を日本で広める著者が、組織開発に寄った形でU理論の実践的活用を提唱する一冊。オットー・シャーマー博士の「U理論」は550ページ以上あり、かつ難解な表現が多いため、極めて読むのに骨が折れるのだが、こ…

【読了】ロバート・ゴーフィー/ガレス・ジョーンズ「ドリーム・ワークプレイス」

今年33冊目読了。ロンドンビジネススクール名誉教授と、IEビジネススクール客員教授の筆者(二人ともクリエイティブ・マネジメント・アソシエイツ共同設立者)が、だれもが最高の自分になれる組織の作り方を書き記した一冊。〈お薦め対象〉 組織を働きやすい…

【読了】ロバート・スティーブンソン「ジキルとハイド」

今年32冊目読了。恐怖小説の代表作の一角を占め、かつ、人間の心の奥底に潜む悪徳の恐ろしさを抉り出す一冊。あらすじについては、誰もが周知といってもいいくらいだが、実際に読んでみると、そのあまりにも骨太な構成、精緻な状況描写が迫力を生む。善悪の…

【読了】西村佳哲「自分の仕事をつくる」

今年31冊目読了。プランニング・ディレクターにして働き方研究家の筆者が、自分らしい仕事をしている人を取材して、その仕事方法などを書き記した一冊。〈お薦め対象〉 自分らしい仕事をしたいすべての人 〈お薦め度(5段階評価)〉 ★★★★★ 〈実用度(5段階評…

【読了】深谷純子「引きずらない技術」

今年30冊目読了。レジリエンス協会常務理事の筆者が、心のモヤモヤがスッと消える方法を書き記した一冊。〈お薦め対象〉 ついつい物事を引きずってしまう人 〈お薦め度(5段階評価)〉 ★★★★☆ 〈実用度(5段階評価)〉 ★★★★☆自分の問いは3つ。 『なぜ、もの…

【読了】サン・テグジュペリ「人間の大地」

今年29冊目読了。飛行士として空を駆け巡った(そして何度となく墜落した)経験から世の中への洞察を紡ぎ出した一冊。筆者の本を何冊か読んだが、表現の豊かさと緻密さ、そして溢れる人間への信頼に、非常に温かい気持ちになる。この本も、もちろんご多分に…

【読了】エドガー・アラン・ポー「アッシャー家の崩壊/黄金虫」

今年28冊目読了。推理小説の礎にして、恐怖小説も巧みに描く筆者の名作集。順番に恐怖小説から推理小説へと並べているこの一冊で、まったく違った作家の本を読んでいるような錯覚に陥る。筆者にとっては、人の恐怖を煽る、おどろおどろしい「緻密に計算され…

【読了】シェイクスピア「十二夜」

今年27冊目読了。シェイクスピアの喜劇の名作。人が入れ替わり、それに伴うコミカルな勘違いが巻き起こすドタバタ劇を、人の心の内を描きながら巧みに表現した名作。もちろん、シェイクスピアゆえ、それだけで終わるわけもなく、人間が虚構・偶像・自分の理…

【読了】シェイクスピア「ジュリアス・シーザー」

今年26冊目読了。言わずと知れたシェイクスピアの戯曲で、実在するジュリアス・シーザーの暗殺とその後を描き出した一冊。本作でも冴えわたるシェイクスピアの細かい心理描写、そしてブルータスの苦悩。それぞれの登場人物が自分なりの正義を述べていくとこ…