世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

読了書籍の書評

【読了】中島敦「李陵・弟子・名人伝・山月記」

今年51冊目読了。33歳にして夭折した戦前・戦中の天才作家が命を削りながら残した短編名作集。 元来、小説はあまり読まない。しかし、この本は別だ。「名人伝」は、高校時代に教科書で読み、「訳わからんなぁ」と思いつつも妙に惹かれた記憶がある。それから…

【読了】日髙敏隆「世界を、こんなふうに見てごらん」

今年50冊目読了。京都大学教授(動物行動学)から、総合地球環境学研究所初代所長に就任した著者が、自然の魅力と見方を平易に伝えるエッセイ。 人間の特性として「解明して得にならないことがわかっていても、つい探ってしまう、探らなくてはいけないという…

【読了】千葉雅也「勉強の哲学」

今年49冊目読了。立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授の著者が、「勉強とは、これまでの自分を失って、変身することである」という勉強論を述べる一冊。 2年前に図書館で借りて、その内容に衝撃を受けて即購入した本。先日、オンライン読書会で紹介す…

[読了】中土井僚「U理論入門」

今年48冊目読了。オーセンティックワークス代表理事にして、オットー・シャーマー博士「U理論」を翻訳した著者が、難解極まりない「U理論」をわかりやすく読み解くことを目指した入門書。 …と言いつつ、600ページを超える書籍の入門書が429ページあるという…

[読了】小和田哲男「知識ゼロからの国宝入門」

今年47冊目読了。日本中世史を専門とする静岡大学名誉教授が、日本史に輝く至宝である国宝の謎と物語を、豊富な写真を交えて紹介する一冊。 学校の日本史レベルを理解していれば、しっかりと頭に入ってくるように工夫されており、また、写真が豊富なので「あ…

【読了】佐滝剛弘「世界遺産の真実」

今年46冊目読了。NHKの番組制作ディレクターにして、世界遺産検定マイスターを保有する著者が、世界遺産への過剰な期待、大いなる誤解について書き記した一冊。 ブックカバーチャレンジが回ってきたので、「世界遺産から何か一冊…」と思って選んだ本。初読の…

【読了】中原淳「働く大人のための学びの教科書」

今年45冊目読了。東京大学総合教育研究センター准教授(当時)の筆者が、100年ライフを生き抜くスキルを書き表した一冊。 ブックカバーチャレンジが回ってきて紹介したので、2年ぶりに再読。なるほど、今このタイミングで読むべき一冊だったなぁ、と痛感。 …

【読了】ガルリ・カスパロフ「決定力を鍛える」

今年44冊目読了。史上最強と謳われるロシアのチェスプレイヤーにして政治家の筆者が、チェスを通じた人生哲学を明かす一冊。 ブックカバーチャレンジが回ってきて紹介したので、4年ぶりに再読。やはり、良書は改めて読んでみるとその価値がわかる。 どうも、…

【ブックカバーチャレンジ:やってみて良かった】

SNS上で流行しているブックカバーチャレンジ。招待をいただき、やってみた。 目的とルール●読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿する●本についての説明はナシで表紙画像だけアップ●都度1人のFB友達を招待し、…

【ブックカバーチャレンジから:再読の意義(駄本偏)】

ブックカバーチャレンジで、15年前のスポーツ関連書籍を読んでみた。懐かしいのもさることながら、なかなか衝撃を受けた。 読んだのは、伊藤伸一郎「バレンタイン監督の人材活用術」。低迷するロッテ・マリーンズを劇的に変えた男の指導法、というサブタイト…

[読了】藤本隆志「ウィトゲンシュタイン」

今年43冊目読了。東京大学教授を経た東京大学名誉教授が、20世紀哲学の金字塔を構想したウィトゲンシュタインの波乱に満ちた生涯と思想の真髄を解き明かした一冊。 とにかく、ウィトゲンシュタイン自身の数奇な人生、その変人っぷりに驚かされるとともに、そ…

【読了】岩田健太郎「新型コロナウィルスの真実」

今年42冊目読了。神戸大学大学院医学研究科教授にして、感染症の専門家である筆者が、感染症対策の鉄則と今回の新型コロナウィルス対策について述べた一冊。 ダイヤモンド・プリンセス号へ乗り込んで、その内情を告発した動画などにより賛否両論の著者。しか…

【読了】村上陽一郎「ペスト大流行」

今年41冊目読了。東京大学名誉教授(科学思想史専攻)の著者が、古代以来のペストの流行を辿りつつ、14世紀に大流行したペストがヨーロッパ中世の崩壊をもたらした経緯を明らかにする一冊。 全般的には「教授が自分の専攻分野についてつらつらと述べる」形の…

【2冊の「ペスト」比較。】

新型コロナウィルス(COVID-19)が流行していることから、ダニエル・デフォー「ペスト」とカミュ「ペスト」を読んでみた。その2冊を読み比べて、感じたこと。 <ダニエル・デフォー「ペスト」の特徴>・事実ベース。 →とにかく、死者数を含めて数字など、事…

【読了】カミュ「ペスト」

今年40冊目読了。20世紀のフランスが生んだ名作家が、第二次世界大戦終戦後まもなく対ナチス闘争の体験を寓意的に描き込んで圧倒的共感を呼んだ小説。 けっこう長編であるが、新型コロナウィルス(COVID-19)が猖獗している2020年4月だからこそ、読んでみた…

【読了】ダニエル・デフォー「ペスト」

今年39冊目読了。ロビンソン・クルーソーの著者が、ロンドンの1665年に発生したペスト流行下での人々の動き、考え、などを淡々と述べていく一冊。 新型コロナウィルス(COVID-19)が猛威を振るっている2020年4月という今のタイミングだからこそ、読んでみた…

【読了】ジョーゼフ・キャンベル、ビル・モイヤーズ「神話の力」

今年38冊目読了。神学者と、米国を代表するジャーナリストの2人が、対談しながら神話と人間の持つ力について深めていく一冊。 〈お薦め対象〉生きることに迷っているすべての人〈お薦め度(5段階評価)〉★★★★★〈実用度(5段階評価)〉★★★★★ 自分の問いは3…

【読了】葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」

今年37冊目読了。戦前から戦中にかけてプロレタリア文学を牽引した著者の代表作。 「労働者に悠長な読書の時間など与えられない」というなかなか壮絶な理由から、400字詰め原稿用紙わずか8枚というボリュームに収まる表題作。しかし、その怖ろしく凄まじいイ…

【読了】ブルンヒルデ・ポムゼル+トーレ・D・ハンゼン「ゲッベルスと私」

今年36冊目読了。ナチス宣伝相ゲッベルス元で3年間働いた秘書に対し、ドイツ政治学者・社会学者である著者がインタビューを行い、それに基づいてその経緯と考察をまとめた一冊。 これはなかなか衝撃の一冊だ。ヒトラーの秘書であったトラウデル・ユンゲが最…

【読了】ターリ・シャーロット「事実はなぜ人の意見を変えられないのか」

今年35冊目読了。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン教授にして、アフェクティブ・ブレイン・ラボ所長の筆者が、説得力と影響力の科学について書き記した一冊。 〈お薦め対象〉人を説得する必要のあるすべての人〈お薦め度(5段階評価)〉★★★★★〈実用度(5…

【読了】牧久「暴君」

今年34冊目読了。日経新聞代表取締役、テレビ大阪会長を経たジャーナリストが、新左翼・松崎明に支配されたJR秘史を描き出した一冊。 革マル派の基本戦略として「味方の力量が弱小な時代は敵の組織に潜り込み、組織内部の意識の違いを乗り越えて変革し、敵組…

【読了】ロバート・ライト「何故今、仏教なのか」

【今年33冊目読了。科学ジャーナリストにして、ユニオン神学校客員教授の筆者が、瞑想・マインドフルネス・悟りの科学について自らの体験をもとに書き記した一冊。 〈お薦め対象〉仏教に興味のある人、宗教は胡散臭いと思っている人〈お薦め度(5段階評価)…

【読了】キャロル・S・ドゥエック「やればできるの法則」

【読了】今年32冊目読了。スタンフォード大学心理学教授の筆者が、やればできる!の研究を書き記した一冊。 〈お薦め対象〉人や子供を育成する、または自分を育てようとするすべての人〈お薦め度(5段階評価)〉★★★★★〈実用度(5段階評価)〉★★★★★ 前提とし…

【読了】崎谷実穂、柳瀬博一「混ぜる教育」

【読了】今年31冊目読了。フリーランスライターと、日経ビジネス チーフ企画プロデューサーの筆者が、80か国の学生が学ぶ立命館アジア太平洋大学APUの秘密を明かす一冊。 自分としては「名前は聞いたことがあり、凄いらしい」という程度の知識であったが、こ…

【読了】北野唯我「天才を殺す凡人」

【読了】今年30冊目読了。ワンキャリア再興戦略責任者、レントヘッド代表取締役の筆者が、天才・秀才・凡人の関係性から職場の人間関係を書き記した一冊。 〈お薦め対象〉職場の人間関係に悩むすべての人〈お薦め度(5段階評価)〉★★★★★〈実用度(5段階評価…

【読了】大沢武志「心理学的経営」

今年29冊目読了。日立製作所、リクルートを経た人事測定研究所代表取締役社長が、個をあるがままに生かす経営を提唱した一冊。 1993年10月29日に刊行された本であり、心理学の基本としている部分がやや古臭い感は否めないが、その求めるところは現代にもマッ…

【読了】デイヴィッド・ボーム「ダイアローグ」

今年28冊目読了。量子力学の世界的権威が、対立から共生へ・議論から対話へ、という提言を行う一冊。 〈お薦め対象〉人間の関係性と生き方を見直したい全ての人〈お薦め度(5段階評価)〉★★★★★〈実用度(5段階評価)〉★★★★★ 自分の問いは3つ。『人間の行動…

【読了】平野啓一郎「空白を満たしなさい」

今年27冊目読了。多才な著者が、死生感をガツンと浮かび上がらせる小説。 幸福については「家族を養うことが幸せだって!違います。そう思い込めること自体が幸せなんです」「自分の価値観と自分自身が合致する。裏を返せば、そうじゃないなら、人間は永遠に…

【読了】本郷美則「新聞があぶない」

今年26冊目読了。朝日新聞研修所長、朝日ネット専務取締役を経てフリーランスジャーナリストとなった筆者が、新聞の陥っている苦境とそのバックボーン、そこからいかに回復するかを書き記した一冊。 内幕をよく知る人物だからこそ書ける、非常に高い問題意識…

【読了】クリストファー・ブラウニング「普通のひとびと」

今年25冊目読了。パシフィック・ルター大学やノース・カロライナ大学チャペルヒル校で教鞭をとるアメリカの歴史学者が、ホロコーストに関与し、わずか500人に満たない第101警察予備大隊が83,000人もの犠牲者を出した事実と背景を描き出した一冊。 読んでいて…