世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

文化芸術

【読了】秋田麻早子「絵を見る技術」

今年92冊目読了。美術史研究家の筆者が、名画の構造を読み解くことを提唱する一冊。 一時的に美術に興味を持ったことがあったので読んでみたが、なるほど、名画を見る時にこういった視点はなかったな… そもそもの絵画の見方について「無目的に見てはいけない…

【読了】島尾新「もっと知りたい雪舟」

今年116冊目読了。学習院大学教授にして、日本中世絵画史を専攻する筆者が、国宝6点を残した天才画家の生涯をつまびらかにする一冊。 アート・ビギナーズ・コレクションシリーズは本当に引き込まれる。特に雪舟はその人生の数奇さ、長く旅をしながら様々な書…

【読了】仲町啓子「もっと知りたい尾形光琳」

今年106冊目読了。実践女子大学教授(日本美術史専攻)の筆者が、アート・ビギナーズ・コレクションシリーズとして天才芸術家にして琳派の中心人物である尾形光琳についてまとめた一冊。 「日本美術史の流派名は狩野派などのように名字で表すものが多く、そ…

【読了】村重寧「もっと知りたい俵屋宗達」

今年105冊目読了。東京国立博物館企画課長を経て早稲田大学文学部(美術史専攻)教授となった筆者が、アート・ビギナーズ・コレクションシリーズとして謎の芸術家・俵屋宗達についてまとめた一冊。 このシリーズは、写真が豊富で本当に読みやすいのだが、こ…

【読了】玉蟲敏子、内田篤呉、赤沼多佳「もっと知りたい本阿弥光悦」

今年98冊目読了。武蔵野美術大学造形学部教授、MOA美術館館長、三井記念美術館参事の3名により、アート・ビギナーズ・コレクションシリーズとしてまとめられた一冊。 1人の人生を振り返るのに、専門家3名が共著しないといけないことからもわかる、超多才の天…

【読了】三浦佳世「視覚心理学が明かす名画の秘密」

今年91冊目読了。九州大学大学院人間環境学研究院教授を経て九州大学名誉教授となった筆者が、実践心理学の成果を土台にして数々の名画を読み解いていく一冊。 もともと心理学系は好きで、かつ最近絵画系の美術にも興味が湧いてきたので、その交点ともいうべ…

【読了】杣田佳穂「もっと知りたいバウハウス」

今年90冊目読了。ミサワバウハウスコレクション学芸員の筆者が、アート・ビギナーズ・コレクションの一冊として、ドイツ20世紀初頭の芸術・建築をけん引した特殊な学校「バウハウス」について、詳細に解き明かす本。 写真と図を使って、非常に詳細にバウハウ…

【読了】佐藤晃子「この絵、どこがすごいの?」

今年56冊目読了。洋の東西を問わず、美術史の著書を執筆するライターの筆者が、名画のひみつと鑑賞のルールを解き明かしてくれる一冊。 「名画とよばれる古い絵を観るには、最低限の予備知識がないことには、どうにもならない」「名画とよばれ、人々から大切…

【読了】木村泰司「印象派という革命」

今年50冊目読了。西洋美術史家の筆者が、日本人に人気の印象派の絵画の近代史における役割を、絵と画家を通じて読み解く一冊。 読めば読むほど、筆者が絵画を「大きな歴史のうねりの中の切片」として捉え、そしてそのうねりを分かりやすく伝えてくれる、とい…

【読了】中野京子「怖い絵2」

今年49冊目読了。ドイツ文学、西洋文化史を専門とする早稲田大学講師の筆者が、西洋名画にまつわる恐怖の物語を描き出す続編の一冊。 こういった本の常として「二匹目のドジョウはいない」というのがあるのだが、まさにそれを地で行くような内容。これは一冊…

【読了】中野京子「怖い絵」

今年48冊目読了。ドイツ文学、西洋文化史を専門とする早稲田大学講師の筆者が、西洋名画にまつわる恐怖の物語を描き出す一冊。 この本、2013年にも読んでいるのだが、その時は表層しか読み解けていなかった気がする。少しばかり西洋絵画のことを学んでから読…

【読了】木村泰司「名画は嘘をつく」

今年47冊目読了。西洋美術史家の筆者が、巨匠たちが描いた知られざる名画の真実に迫る一冊。 非常にとっつきにくい「西洋絵画」について、実に分かりやすい切り口で紹介をしてくれる筆者の本はかなり好きなのだが、この本はやや期待外れの感を禁じ得ない、と…

【読了】木村泰司「名画の言い分」

今年35冊目読了。西洋美術史家の筆者が、西洋絵画に秘められたメッセージを解き明かす一冊。 筆者の本は何冊も読んでいるが、本書もまた、非常に読みやすい。そして、驚きの事実ばかりが指摘されて、本当に興味深い。 古代の大きな流れの中で「アルカイック…

【読了】木村泰司「時代を語る名画たち」

今年33冊目読了。西洋美術史家の筆者が、西洋絵画の歴史を変えた22人の天才の生涯と、その影響を描き出す一冊。 筆者の本は何冊も読んでいるが、本書もまた、非常に読みやすくて、初心者にハードルの高い西洋美術にとっつきやすい内容。 ●ヤン・ファン・エイ…

【読了】吉海直人「世界でいちばん素敵な百人一首の教室」

今年29冊目読了。同志社女子大学表現文化学部日本語日本文学科教授にして、公益財団法人小倉百人一首文化財団理事の筆者が、写真ビジュアルを交えて百人一首の世界をわかりやすく紹介する一冊。 「世界でいちばん素敵な教室」シリーズもので、装丁がしっかり…

【百人一首を覚えてみて】

小4の娘に促されるままに、全く興味がなかった百人一首を覚えてみた(もともと覚えていたのは2首のみで、98首が手つかずからのスタートだった…)。かなり手こずったし、まだ「ひととおり『覚える作業』を完了した」だけであって、完璧に覚えた、というには…

【読了】田中靖浩「名画で学ぶ経済の世界史」

今年28冊目読了。田中公認会計士事務所長である筆者が、名画を通じて「国境を越えた勇気と再生の物語」をツアーガイドとして解説する、という体をとった面白い一冊。 これは読みやすくて、流れを押さえやすい。専門知識を深く持つというのも素晴らしいことで…

【読了】木村三郎「名画を読み解くアトリビュート」

今年23冊目読了。日本大学芸術学部教授にして、西洋美術史を専攻する筆者が、西洋絵画における「お約束」の決まり事を紹介する一冊。 単体の書籍として見るより、様々な絵画の鑑賞の際に参考書、いや辞書的に使うべき本というところか。初心者にもわかりやす…

【読了】木村泰司「名画の言い分 巨匠たちの迷宮」

今年22冊目読了。西洋美術史家の筆者が、西洋絵画の巨匠の人生を名画と共に振り返り、込められたメッセージやその意義を描き出す一冊。 半分は知らない(※あまりに自分が無知なだけだが…)画家だったが、それでも、その人生のあまりの波乱ぶり、そして歴史に…

【読了】木村泰司「おしゃべりな名画」

今年20冊目読了。西洋美術史家の筆者が、1枚の絵に秘められた時代背景や作者の人生、作品のメッセージなどの物語を読み解き、絵画の世界を広げる一冊。 この人の本は、語り口は軽妙ながら、深い美術への造詣と愛情が相俟っていて、とても面白い。「芸術を目…

【読了】谷知子「百人一首(全)」

今年19冊目読了。中世和歌を専攻するフェリス女学院大学教授の筆者が、百人一首のすべての歌の意味、どこが優れているか、歌人たちはどんな人だったか、をやさしく解説する一冊。 これは、ビギナー向けで、それでいて個別に深い話も書いてあり、非常に読みや…

【読了】木村泰司「西洋美術史」

今年18冊目読了。西洋美術史家の筆者が、世界のビジネスエリートが身につける教養として、西洋美術の歴史とその背景をわかりやすく読み解く一冊。 これは非常にわかりやすい。単純に作品を説明するだけでなく、時代背景や流れをあわせて解説してくれるので「…