世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】柳澤桂子「生きて死ぬ智慧」

今年72冊目読了。お茶の水女子大学名誉博士の生命科学者にして歌人であり、原因不明の難病に苦しみ続けた著者が、般若心経を科学的解釈で美しい現代語に心訳し、堀文子の挿絵とともにいのちの意味に迫る一冊。 端的にいうと「般若心経の現代訳」なのだが、心…

【読了】梶谷真司「考えるとはどういうことか」

今年71冊目読了。東京大学大学院総合文化研究科教授の筆者が、0歳から100歳までの哲学入門を説く一冊。 哲学入門、としつつ、その中身は「集まった人々がフラットに対話を深めていく」という『哲学対話』を対象としている。 哲学について「世間から見れば、…

【読了】イリス・ボネット「ワークデザイン」

今年70冊目読了。ハーバード大学ケネディ行政大学院教授の筆者が、行動経済学でジェンダー格差を克服することを提唱する一冊。 人間の行動特性として「バイアスは、私たちの頭の中に根を張っているだけでなく、制度や慣行にも根を張っている」「人は誰しもバ…

【読了】ロバート・フリッツ「偉大な組織の最小抵抗経路」

今年69冊目読了。ロバート・フリッツ・インク社の創立者にして、創り出すプロセスの領域から組織、ビジネス、マネジメントで個人の生産性向上に取り組んでいる著者が、リーダーのための組織デザイン法則をまとめた一冊。 ぶ厚い本で、その中身も実に重厚。「…

【読了】山本太郎「感染症と文明」

今年68冊目読了。長崎大学熱帯医学研究所教授にして、アフリカやハイチなどで感染症対策に従事した筆者が、感染症との戦いの行方は共生しかないのではないか、と提言する一冊。 2011年に執筆されているが、コロナ禍真っただ中の2020年にこそ読みごたえがある…

【読了】吉原英樹「バカなとなるほど」

今年67冊目読了。神戸大学名誉教授の著者が、企業研究に基づいて発見した経営成功の決め手について述べた一冊。 ネタとなる企業はバブル期の原稿であるため、女性活用や海外進出など、違和感がある。しかし、その軸となる主張「成功している企業の多くが、一…

【読了】瀧本哲史「武器としての決断思考」

今年66冊目読了。京都大学客員教授、エンジェル投資家の筆者が、学生に教えた意思決定の授業を本に凝縮した一冊。 読書会で勧められたので読んでみたが、まぁ整理されていてわかりやすい。楽しみながら読み進めることができた。 変化の21世紀を生きるために…

【読了】ポール・ブルーム「反共感論」

今年65冊目読了。イェール大学心理学教授の筆者が、社会はいかに判断を誤るかについて主張を展開する一冊。 著者の主張の軸である「私たちが個人として社会として直面する問題のほとんどは、過剰な共感が原因で生じる」「私たちの道徳的判断や行動は共感の強…

【読了】梅棹忠夫「日本文明77の謎」

今年64冊目読了。京都大学教授を経て国立民族学博物館館長を務めた著者が、気鋭の執筆者たちに日本文明を理解するためのキーワードを与えて書かせた原稿を編集した一冊。 1988年という、バブルど真ん中の浮かれ気分が背景にあるため、日本の今後については「…

【読了】レイ・カーツワイル「シンギュラリティは近い」

今年63冊目読了。人工知能の世界的権威である筆者が、人類が生命を超越するときについて書き表した一冊。 正直、とても複雑・難解で、自分が文系の限界を到底超えられないことをまざまざと突きつけられた…まるで理解したとは言えない読後感。これは、単純に…

【読了】藤田一照、魚川祐司「感じて、ゆるす仏教」

今年62冊目読了。オンライン禅コミュニティ「大空山磨塼寺」を開創した禅僧と、仏教の教理と実践を学ぶ著述・翻訳家の2人が、これからの仏教を提言する対話を繰り広げる一冊。 かなり興味深いやり取りが繰り広げられるが、これ、本当に難しい本だ。というの…

【読了】松浦弥太郎「軽くなる生き方」

今年61冊目読了。暮らしの手帖編集長の筆者が、その数奇な人生を振り返りつつ、身軽になって人生の旅をもっと楽しむことを提言する一冊。 読書会で紹介されたので、興味が湧いて読んでみた。共感できるところ、あまりピンと来ないところに二分されるのは感覚…

【読了】パラグ・カンナ「接続性の地政学(上下)」

今年59・60冊目読了。シンガポール国立大学公共政策大学院の上級研究員にして、アメリカ地理学会顧問の著者が、地政学からグローバリズムの先にある世界を見通す本。 「世界をまとめる新たな枠組みとして、接続性が分割に変わった。我々の時代において最も有…

【読了】斗鬼正一「世界あたりまえ会議」

今年58冊目読了。文化人類学者の筆者が、私のふつうは誰かのありえないである、ということを、国ごとの常識を例示してします一冊。 「歌がうまくないと結婚できない」「死んだ人を結婚させる」「まだ死んでいない人の葬儀をする」「幼稚園児も飲酒喫煙可」と…

【読了】岡田英弘「中国文明の歴史」

今年57冊目読了。東京外国語大学名誉教授の著者が、中国はいかに拡大したか?について、歴史の経緯をたどりながら紐解く一冊。 畏敬する友人がお薦めしてくれたので読んでみたが、中国史観が一変するくらいに重厚な一冊。そのくせ、新書で読みやすい、という…

【読了】角田陽一郎「運の技術」

今年56冊目読了。TBSの名ディレクター、プロデューサーとして名を馳せた筆者が、AI時代を生きる僕たちに必要なたった一つの武器を紹介する一冊。 煽り文句や、概ねの訳知り目線の話はともかくとして、「農業革命は田んぼ的、産業革命はエクセル的、情報革命…

【読了】海老原嗣生「クランボルツに学ぶ夢のあきらめ方」

今年55冊目読了。人材コンサルティング会社ニッチモ代表取締役の筆者が、「夢はあきらめると、けっこうかなう」というキャリア論の古典であるクランボルツ理論をわかりやすく解説した一冊。 これは、超のつくお勧め本だ。骨太な中身が、実に分かりやすくまと…

【読了】阿部謹也「世間とは何か」

今年54冊目読了。一橋大学学長の筆者が、日本人の生き方を支配してきた世間という枠組みを、西洋の社会・個人という対比から見つめ直した一冊。 昨今、SNSによる批判の犯罪性などが取りざたされている中で、その枠組みを考えるのは異議があろう、と手に取っ…

【読了】田坂広志「人生で起きること、すべて良きこと」

今年53冊目読了。多摩大学大学院教授にして、内閣官房参与も務めた筆者が、逆境を越えるこころの技法について説く一冊。 5年前に読んだ良書で、読書会のテーマが「切り換える」だったことから、このコロナ禍の状況で気持ちを切り換えるのに最適な一冊、と思…

【読了】平野啓一郎「マチネの終わりに」

今年52冊目読了。人気ベストセラー作家が、ある音楽家とジャーナリストの数奇な運命の絡み合いを通して人生を描き出した一冊。 基本的に小説は読まないのだが、これは大学時代の朋友が薦めてくれたので、図書館で数か月待ってようやく読んでみた。実際に読ん…

【読みたい本リストのコロナ太り。】

コロナ禍で、様々なものが今までとは違う流れになってしまっている。読書も、その流れになっている一つ。 …で、コロナ禍によって、Evernoteメモに記している「読みたい本リスト」が119冊(!)と、過去最高を更新してしまった。 <インプット>・ブックカバ…

【読書会の意義】

今日は、「人材開発」という切り口で実施された人事系のオンライン読書会に参加した。読書という行為は、「自分と著者との対話」である、と何かの本に書いてあったが、読書会に参加することは、またそれとは違った深まりを見せてくれる。 ●同じ本に対して、…

【読了】中島敦「李陵・弟子・名人伝・山月記」

今年51冊目読了。33歳にして夭折した戦前・戦中の天才作家が命を削りながら残した短編名作集。 元来、小説はあまり読まない。しかし、この本は別だ。「名人伝」は、高校時代に教科書で読み、「訳わからんなぁ」と思いつつも妙に惹かれた記憶がある。それから…

【読了】日髙敏隆「世界を、こんなふうに見てごらん」

今年50冊目読了。京都大学教授(動物行動学)から、総合地球環境学研究所初代所長に就任した著者が、自然の魅力と見方を平易に伝えるエッセイ。 人間の特性として「解明して得にならないことがわかっていても、つい探ってしまう、探らなくてはいけないという…

記録と他者視点が大事。

ブックカバーチャレンジをきっかけに、本棚に置きっ放しの「スポーツ関係」本を読んでみて、気づいたこと。 ●記憶は美化される。 マリーンズファンなので、2010年、パリーグ3位からの大逆襲で下克上による日本一を成し遂げた監督・西村徳文「和の力」は、当…

【再読のすすめ】自身の変化を感じ取る

ブックカバーチャレンジや、オンライン読書会をきっかけにして、何冊かの本を再読する機会を得た。まぁ、新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で図書館での本の借受ができなくなった、というのも大きい要素ではあるが、ともあれ、本の再読の意義を改めて痛…

【読了】千葉雅也「勉強の哲学」

今年49冊目読了。立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授の著者が、「勉強とは、これまでの自分を失って、変身することである」という勉強論を述べる一冊。 2年前に図書館で借りて、その内容に衝撃を受けて即購入した本。先日、オンライン読書会で紹介す…

[読了】中土井僚「U理論入門」

今年48冊目読了。オーセンティックワークス代表理事にして、オットー・シャーマー博士「U理論」を翻訳した著者が、難解極まりない「U理論」をわかりやすく読み解くことを目指した入門書。 …と言いつつ、600ページを超える書籍の入門書が429ページあるという…

[読了】小和田哲男「知識ゼロからの国宝入門」

今年47冊目読了。日本中世史を専門とする静岡大学名誉教授が、日本史に輝く至宝である国宝の謎と物語を、豊富な写真を交えて紹介する一冊。 学校の日本史レベルを理解していれば、しっかりと頭に入ってくるように工夫されており、また、写真が豊富なので「あ…

【読了】佐滝剛弘「世界遺産の真実」

今年46冊目読了。NHKの番組制作ディレクターにして、世界遺産検定マイスターを保有する著者が、世界遺産への過剰な期待、大いなる誤解について書き記した一冊。 ブックカバーチャレンジが回ってきたので、「世界遺産から何か一冊…」と思って選んだ本。初読の…